土徳流離~奥州相馬復興への悲願

土徳流離~奥州相馬復興への悲願

墓標

2012年9月以来、足掛け2年以上、
私は、福島県の相双地方に通っています。
ここには、江戸時代、天明の大飢饉以後、
相馬中村藩が人口増幅と農村復興を計って、
はるか越後、越中、加賀、因幡などから
1万人以上の浄土真宗の門徒を入植させ、
さらに二宮尊徳の農村復興政策「ご仕法」により
移民と土着の人との
長い葛藤と融和を繰り返しながら
荒廃した土地を見事に蘇らせたという
歴史がありました。

その土地が今、3・11以降、震災と放射能汚染で
どうしようもない事態に陥っています。

私は、この地の人々が培ってきた
「土徳」の映像記録をいま、
すぐに開始しなければという思いにいたったのです。



監督 青原さとし



『土徳流離~奥州相馬復興への悲願』

(2015年/205分/BD/カラー/ドキュメンタリー)
企画・映画「土徳流離」制作実行委員会  製作協力・民族文化映像研究所  
監督・撮影・語り:青原さとし  プロデューサー:小泉修吉・小原信之
出演:相双地方のみなさん、新潟・富山・茨城・広島のみなさん
琵琶演奏 寺本靑嶺    説教節・葦原理江

野馬追 ひばりが原

[前編] =はるかなる山河をこえて=(102分)

東日本大震災から1年半、相双地方・奥州相馬の国を訪ねた映像作家・青原さとし(広島の真宗寺院生れ)はこの地方の歴史を支えた真宗移民と二宮仕法のことを知り、映像記録の旅を決意する。映画は、相馬野馬追の姿を追いながら女性説教師・葦原理江が古風で親しみやすい語り口で、相馬中村藩の成り立ち、天明の大飢饉の惨状を紐解いていくことから始まる。移民たちが語る真宗門徒の相馬入植史(光善寺、正西寺、勝緑寺、常福寺)、今日の相馬に残る移民の痕跡、「富山柿」「屋敷林」「携帯仏像」。そしてカメラは越中へ、富山県南砺市に残る相馬との接点、移民国外脱出の苦労、親鸞の道に重なる移民の道。常陸にもあった移民の歴史!そして前編のクライマックス、相馬移民が今日伝える惣報恩講から浮かび上がる移民家族史、それは200年を経て移民に直面した原発事故被害の苦難でもあった!

鹿島 移民の碑

[後編] =無量の時のあなたたちへ=(103分)

後編では、移民寺の歴史を主軸に奥州相馬復興史200年の今昔をさらに深く紐解いていく。津波被災にみる勝縁寺移民の相馬開拓史、小高光慶寺の歴史と今日の苦難、野馬懸け祭、一向宗と土着文化の差異からくる軋轢、萱浜入植史苦闘の今昔、農村復興への道・二宮仕法をたどって、荒至重による広大な土木事業・七千石水利組合、避難区域の真宗寺院(飯舘村、富岡、双葉、浪江)、そして原町別院の開基に見る激動の明治時代、小田原、広島からのボランティア(冥加人足の心)。映画は 相馬農業高校生による相馬民謡「相馬二遍返し」と「相馬流山」の踊りと歌声で相馬の未来を暗示しながらエピローグを飾り、壮大な叙事詩が終る。

青原さとし
【青原さとし】プロフィール
ドキュメンタリー映像作家。1961年広島生。
2003年『土徳-焼跡地に生かされて』。2004年『雪国木羽屋根物語』、2005年『山踏み-森林再生への道』、2006年『望郷-広瀬小学校原爆犠牲者をさがして』、2007年『藝州かやぶき紀行』、2009年『三百七十五年目の春風』、2011年『タケヤネの里』、『時を鋳込む』、2013年『音の記憶・つながり』、2015年『誰もそなたも御苦労様よ』

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